Vibe Codingで、株式投資管理ツールを作ろうと思った話(その2)

2026年1月18日

AIに小規模な関数を作らせてみたら、思った以上にデキがよかった。
「これは本格的に使えそうだ」と感じたので、次はもう少し実用寄りの題材で試してみることにした。

まず手を付けたのは、以前PerlやPythonで実装していた「株式投資戦略の売買シグナル」を出すプログラムだ。
AIに作らせたら、どう変わるのかを見てみたかった。

以前作ったのは、売買シグナルとバックテスト

以前コーディングしたのは、ざっくり言うと次の2つだ。

  • 投資戦略の売買シグナルツール
  • 過去データを使ったバックテストプログラム

初心者にも分かりやすい「ゴールデンクロス」や、投資本で読んだ「タートルズ」といった戦略を実装し、売買シグナルをプログラムで出すものだった。

ただ、現実の売買シグナルは頻繁に出るわけではない。
作った当初は毎日実行していたものの、そのうち起動しなくなり、半年に1回、思い出したように実行するだけになっていた。

「お小遣い稼ぎツール」への憧れと現実

こういうツールを作って実際に株を売買し、お小遣い稼ぎをしたくなる。
プログラマなら、一度は考えることではなかろうか。

もしVibe Codingで簡単にプログラミングできるなら、いろいろな戦略を試して「稼げる売買シグナル」が見つかるかもしれない。
そんな期待もあった。

AIに「戦略名」だけで頼むと、ここまでやってくれる

まずはゴールデンクロスの売買戦略を実装してみた。
株価の長期移動平均線と中期移動平均線の交差で売買する、あの定番の戦略だ。

試しに、

「ゴールデンクロス戦略で売買するプログラムを作成して」

とだけ入力してみると、AIは本当にそれっぽいものを作ってくれた。

タートルズ戦略も同様に、

「タートルズの戦略で売買するプログラムを作成して」

と言えば作ってくれる。

もちろん、売買条件は一般的なものになる。
それでも驚いたのは、過去の株価情報をインターネットから取得し、バックテストまで実行してくれたことだ。

しかも、トヨタなどの複数の主要銘柄について、

  • 売買回数
  • 通算損益額

を表やグラフで見せてくれるところまで、一気にやってくる。

ただし「出力が物足りない」問題にぶつかった

一方で、表やグラフに盛り込まれる情報は少なく、出力は正直満足できるものではなかった。

そこで、

  • {銘柄} × {戦略} の組み合わせで、通算損益額が高いものをTOP5で出してほしい
  • 個別の売買の様子をログとして確認したい

といった追加要求をAIに投げてみた。

しかし、ここからがなかなか思うようにいかない。
こちらが欲しい情報が増えるほど、

  • 集計の切り口がズレる
  • 条件が一部抜け落ちる
  • 表示はされるが「見たい形」にならない

といったことが起き始めた。

以下は、そのとき出力されたログの一例だ。


=== パフォーマンスレポート ===

--- GoldenCross ---
銘柄   名称                          戦略         最終資産   総損益      損益率(%)  トレード回数  勝率
7203.T                  トヨタ自動車 GoldenCross 916,467.47  -83,532.53  -8.35     49            0.20
6758.T                ソニーグループ GoldenCross 809,313.08 -190,686.92 -19.07     37            0.27
8058.T                      三菱商事 GoldenCross 819,196.61 -180,803.39 -18.08     13            0.08
9432.T                  日本電信電話 GoldenCross 880,352.52 -119,647.48 -11.96     30            0.27
1306.T       NF・TOPIX連動型上場投信 GoldenCross 833,259.80 -166,740.20 -16.67     41            0.29
1308.T 上場インデックスファンドTOPIX GoldenCross 705,099.80 -294,900.20 -29.49      5            0.60
   QQQ             Invesco QQQ Trust GoldenCross   2,765.10     -234.90  -7.83     71            0.31

--- Turtles ---
銘柄   名称                          戦略     最終資産     総損益      損益率(%)  トレード回数  勝率
7203.T                  トヨタ自動車 Turtles   984,410.18  -15,589.82  -1.56     53            0.28
6758.T                ソニーグループ Turtles   948,110.40  -51,889.60  -5.19     62            0.37
8058.T                      三菱商事 Turtles   993,823.36   -6,176.64  -0.62     65            0.40
9432.T                  日本電信電話 Turtles   802,874.70 -197,125.30 -19.71     40            0.25
1306.T       NF・TOPIX連動型上場投信 Turtles 1,003,854.18    3,854.18   0.39     55            0.35
1308.T 上場インデックスファンドTOPIX Turtles 1,096,098.14   96,098.14   9.61     60            0.40
   QQQ             Invesco QQQ Trust Turtles     3,005.70        5.70   0.19     20            0.40

--- MeanReversionShort ---
銘柄   名称                          戦略                最終資産     総損益     損益率(%)  トレード回数  勝率
7203.T                  トヨタ自動車 MeanReversionShort   957,199.89 -42,800.11 -4.28      18            0.33
6758.T                ソニーグループ MeanReversionShort   995,664.29  -4,335.71 -0.43      35            0.31
8058.T                      三菱商事 MeanReversionShort 1,094,854.36  94,854.36  9.49      28            0.54
9432.T                  日本電信電話 MeanReversionShort   934,678.24 -65,321.76 -6.53       9            0.22
1306.T       NF・TOPIX連動型上場投信 MeanReversionShort   987,891.13 -12,108.87 -1.21       6            0.50
1308.T 上場インデックスファンドTOPIX MeanReversionShort 1,005,527.18   5,527.18  0.55       6            0.33
   QQQ             Invesco QQQ Trust MeanReversionShort     2,943.80     -56.20 -1.87       9            0.33

一見すると、ちゃんと計算もされていて、それっぽくはある。
だが、

  • 戦略ごとの比較がしづらい
  • どの銘柄×戦略が「良い」のか直感的に分からない
  • 次に何を見ればいいのか判断できない

という問題があった。

「データは出ているが、意思決定に使いにくい」
そんな状態だった。

HTMLで出力させたいが、見た目が“それっぽい”止まり

ログをテキストで見るより、HTMLで出力した方が見やすいはずだ。
そう思ってHTML出力も試してみた。

ただ、ここでも壁にぶつかった。
デザインの指定をほとんどしていないので、せいぜいランキング情報とグラフをHTMLページに貼り付けただけのものになる。

証券会社のツールのような洗練されたUIとは程遠い。
何度もプロンプトを入力して微調整するのも、だんだん疲れてきた。

ここで、ふと思った。

「そもそも、洗練されたGUIを作るようにAIに指示するって、どこまでできるんだろう?」

少し横道:ツールが“売買したい気持ち”を増幅する

話は少し横道にそれるが、投資本を読むとよく書かれている。
株式投資で成功しようと思ったら、確実に勝てそうなときだけ売買するのが基本だ、と。

一方で、自作ツールを作ると、頻繁に売買したくなる。
「シグナルが出た」「次は当たるかもしれない」――そんな気持ちが出てくる。

そこには、常に葛藤がある。

理想は、毎日ツールを自動実行して、
売買シグナルが出たときだけ通知してくれることなのだけど……。

 

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